歌の声量を上げるとは?すぐに体感できる方法があります!

歌声の出し方

声量を上げるために、大きい声を出して頑張っている人。

大きい声で歌ったのに、聴き手には大きいと思ってもらえない人。

大きい声を出していれば、いずれ声量が上がると思っている人。
 

そんな皆さんは、このように思っていませんか?

声量を上げる=声を大きくする
 

実は、そうではないのです・・・

できれば一度、その概念を取っ払ってみてください。

そして、その努力を、本当に効果のある方法にシフトしてみませんか?

目次

歌の声量を上げるとは?

声量を上げるとは、響きのある声を求めることです。

(響きのある声には、同時によく通る声・遠くに届く声という表現も包括しています。)
 

何で?声を大きくすることじゃないの?

と思われるかもしれません。
 

一度、想像してみてほしいのです。

もし誰かがひたすら大きい声で歌うのを聴いたとしたら、あなたはどう感じるでしょうか?

音量だけが大きくても、ただうるさいだけですよね^^;
 

それに、歌う人が大きい声を出したという体感があっても、それは側鳴り(そばなり)の声なのです。

側鳴りの声、知っていますか?

離れたところには声が飛んでいかない、自分の側だけで声が鳴っている、ということです。
 

たった一人、自己満足で歌っているだけならそれでも構わないでしょう。

ですがここでは、聴く相手がいることを前提として話を進めています。

そうなると、せっかく歌っているのに相手にはよく聴こえない声、聴きにくい声では意味がありませんよね。
 

ちゃんと聴き手によく届く声でありたいものです。

では聴き手によく届く声とは?

それが冒頭でお伝えしたように、響きのある声なんですね。
 

ちょっとここで、まだ腑に落ちない人のために「側鳴りの声」の補足をしておきます。

歌声は、肺から息が送られてきて、声帯が振動することで出ていきますよね。

ですが大声を出して喉に力みが生じる(喉が締まる)と、息が流れにくくなってしまうのです。

息が安定して流れないと、声を出すときに声帯が規則的に振動できず、歌声に響きが乗らなくなる…ということなのです。

だから、大きい声を頑張って出すのはむしろ逆効果だったんですね。
 

それでは、本当の意味で声量を上げるにはどのようなトレーニングが効果的でしょうか?

声量を上げる3つのトレーニング

私がお勧めするのは、こちらの3つの方法になります。

・頬に手の平を当てる
・立ったまま前屈をする
・前屈でさらに腕を回す
 

こちらは後ほど解説していくとして、その前に・・・
 

声量を上げるとは、響きのある声を求めることでしたね。

ネットでよく目にするリップロールやハミングは、確かに声に響きを乗せる方法として有効でしょう。

しかし、その方法が万人にとってすぐに役立つかというとそうではありません。

なぜなら、当然のことですが歌うときの感覚や歌い癖というのは人それぞれだからです。
 

トレーニングをするにも、傾向と対策があるということですね。

声量を上げたいと思って大きい声を出している人は、どちらかと言うと喉が強いのではないかと推察します。

大きい声を出して喉の疲労があっても、なんとか歌えてしまっているからです。

本当に喉の弱い人は、無理に大きい声で歌ったら1曲くらいで声がかすれてしまうんですよ。
 

そしてどのトレーニング方法を行っても、その力みの強さが出てしまう傾向にあります。

本人は普通のつもりでも、実際には強い力みが入っている人。

力みは自覚があるものの、強めじゃないと気が済まない人。
 

このように力みが強い・何でも頑張り過ぎるという傾向の人は、リップロールやハミングも力みのせいで上手く実践しにくいんですね。

そのような人にとってもすぐに体感しやすい方法、それが始めにお伝えした3つの方法なのです。

・頬に手の平を当てる
・立ったまま前屈をする
・前屈でさらに腕を回す
 

喉を開けて、安定した息の流れを得ることで、規則的に声帯が振動する、これらが連動して行えたときに、響きのある声に持っていくことができるのです。

それでは早速、ひとつ目から説明していきましょう。
 

頬に手の平を当てる

やり方は、ムンクの絵のように、左右の手の平をほっぺたに当てます。

指の部分ではなく、ちゃんと「手の平」を頬に当てるのがポイントです。

押さえつけずに、ただベタッと当てるだけで大丈夫ですよ。

この状態で発声練習をしましょう、ということです。
 

音は何でもOKですが、出だしの発音は「サ」を使います。

ここでは、仮にこんな感じで練習するとします。
音:ドーレードー
発音:サーオーアー
 

「サ」はアルファベットで書くと「Sa」。

子音Sは歯を閉じて発音し、母音アのときに口が開きますよね。

このときに、手の平の感覚を使ってやりたいことは2つ。

(1)Saで口が開くとき、手の平で縦の動きを感じる
(2)縦の状態を、最後の音まで維持する
 

力みが強い人、強いことが当たり前になっている人は、歌うとすぐに口周りが固くなってしまいます。

そうなるともう口も開かない上に、力みが入ったまま歌い進めるしかなくなるのです。
 

そこで、この練習の目的はこうなります。

「手の平でSaのときに縦の動きを察知し、力みが入る前に口を開けてしまおう!」
 

なので、手の平の感覚に、全幅の信頼を置いてください。

手の平が(1)の縦の動きを確認できたとき、以下のことが実現されます。

・喉が開く・歌うのに十分な口が開く
・顎の力みが抜ける(閉まろうとする力みが回避できる)
 

実は(1)ができれば、ほぼ9割が成功です^^

あとは、最後の音まで縦を維持するだけですので。
 

とは言え力みが強い人は、せっかく(1)が成功しても、(2)で力みが発生する場合があるんですね。

それは、サーオーアーと発音する際に、母音オで起こります。

顎の力みによって、口が狭くなる(唇をすぼめる)のです・・・
 

ですがこのとき、手の平にちゃんと意識を向けていれば、顎が上に戻る動きを察知できるはずです。

なんとか縦を維持する、もしくは手の平に多少の圧を掛けて顎が上がるのを阻止してください!

 

他にも練習例を挙げておきます。

音:ドーレーミーレードー
発音:サーオーアーオーアー

音:ドーレーミーレードー
発音:サーエーアーオーアー

音:ソーファーミーレードー
発音:サーエーアーオーアー

 

上記の発音は口を開ける母音だけで構成されているので、(1)と(2)をそのまま実践することができます。

最初は鏡を見ずに、手の平の感覚のみで行ってくださいね。

もし最初から鏡を見ると、手の平の感覚など関係なくなり、視覚的な情報でその場をやり過ごしてしまうからです。
(その場限りのことをやってもトレーニングにはなりません…)
 

(1)と(2)が安定して行えるようになった後で、見た目がどんな感じなのかを確認するために鏡を見るのはもちろんOKですよ^^
 

手の平からの伝達は、あなたが思う以上に脳が情報をキャッチするものです。

「力みが入る前に口を開ける」という今までとは違う状態を知るためにも、だまされたと思って、ぜひ手の平の感覚に意識を向けてみてください。
 

立ったまま前屈をする

まず肩幅より広めに足を開き、上半身を前に倒して前屈をします。

頭と腕をだらんとした状態、これで発声練習をします。
 

え?それって歌う体勢ではないよね?

と思ったとしたら、それは確かにその通りです。

だから、あえて行うのです!
 

前屈になると、歌う体勢ではないので声があちこちに進めなくなるんですね。

その人の歌い癖などは出る幕がなくなるわけです。
 

声が行ける方にしか行けなくなる。
 

言い換えると、声の進む道を整えることができるのです!

頬に手の平を当てるで紹介した発声練習を、この前屈の体勢でそのまま行ってみましょう。
 

そのときに意識するポイントは2つ。

(1)頭をだらんとする(頭を持ち上げない)
(2)声の聴こえ方は気にしない
 

なぜなら、もし頭が持ち上がると首に力が入ってしまうからです。

首の力みが入った時点で、立って歌うときの力みと変わらなくなってしまうのです。
 

力みの強い人は、一音目の「サー」から頭がクッと(感覚としては1cm前後)持ち上がるのではないでしょうか。

その場合は、むしろ歌い出しで頭を胸の方に動かして、その力みを解消してください。

 

そして(2)声の聴こえ方は気にしない、これも重要です。

下を向いているわけなので、立って歌うときとは違う聴こえ方になって当然ですよね。

こもっている感じ、遠くに聴こえる感じ、はっきり聴こえない感じ、といった聴こえ方になるはずです。

この聴こえ方でOKなので、安心して、ただしっかりと声を出すだけで大丈夫です^^
 

逆に、前屈の体勢にも関わらず、立って歌うときと同じ声の聴こえだったら要注意ですよ。

なぜなら、頭が持ち上がって首に力が入っている証拠だからです!

 

このトレーニングは効果抜群なので、それを感じて頂くためにもつい説明が多くなってしまいます^^;
 

それでは早速、肩幅より足を広げて、前屈の体勢になって発声してみましょう。

(ずっと同じ音域、又は音階練習どちらでも、やりやすい形でひとまずやってみましょう。)

・(音:ドーレーミーレードー)
・(発音:サーエーアーオーアー)


何回が行った後で、クラクラしないためにゆっくり体を起こします。

そして間髪入れずに、何も考えず、すぐに同じものを発声してみてください。




声が進んでいく感じ、楽な感じ、声がはっきり聴こえる感じ、声のボリュームが増した感じ、など何かしらプラスの感覚を得たのではないでしょうか。

前屈で(1)と(2)を実践できたとき、次のようなプラス効果があります。

・声の方向を整える
・「吸う・吐く」の息の量が増える
・その息の流れを整える
・首周りの力みをリセットできる
・自分の力みに気がつける
・声の聴こえを気にせず練習できる
 

力みが強い人は喉が締まり、残念ながら息が流れにくくなっていました。

ですがひとたび前屈の体勢になれば、誰がやっても、立っているときより吸って・吐いての息が勝手に増えるのです。

また前屈では体も力みようがないので、息の流れが安定してくるんですね。

 

ここで、始めにお話した基本をおさらいすると・・・

歌声は、肺から息が送られてきて、声帯が振動することで出ていくんでしたね。

歌声に響きを乗せるには、喉を開け、息の流れを安定させ、声帯が規則的に振動できるようにすることでした。

前屈のトレーニングは、この「息の流れを安定させる」ことに大いに貢献していると言えます。

 

ちなみに、前屈は上手く実践できているのに、起き上がるとあまり効果を感じられない(ビフォー・アフターがない)という場合は・・・

起き上がると、途端に自分の歌い癖が出てしまうのだと思います。

特に口周りの力みが…

なので、前屈から起き上がったら「頬に手の平を当てる」を加えましょう。

前屈でも、起き上がっても、ダブルの効果を引き出せばよいのです。
 

前屈でさらに腕を回す

体の感覚、歌い癖、力みの度合いというのは、本当に人さまざまです。

前屈のトレーニングではその力みがうんともすんとも言わない(力みが取れない)場合というのもあるものです。

それでも諦めません!

その場合には、前屈をさらにパワーアップさせます。
 

立ったまま前屈をするの状態でさらに腕を回すという方法です。

クロールのように、左右の腕を交互に前回しする感じですね。
 

ただ、腕をピーンとして力を入れる必要はありません!

腕は柔らかく、鞭(むち)のようなイメージで。

この状態で、頬に手の平を当てるで紹介した発声練習を行ってみましょう。
 

このときのポイントは2つ。

(1)肩甲骨から回すつもりで行う(犬かきにならない)
(2)手首に力を入れない
 

もちろん、立ったまま前屈をするでお伝えした以下のポイントも意識してくださいね。

(1)頭をだらんとする(頭を持ち上げない)
(2)声の聴こえ方は気にしない
 

嬉しいことに、前屈で肩甲骨から腕を回す動きは、背中と胸を広げる動きになっているんですね。

それを利用して、あまりに強固な力みに対し「体を広げる+息の流れを促す」というダブルの効果で対抗しよう!という作戦なのです。

これなら、何らかの効果を体感できるはずですよ!

 

また、(2)手首に力を入れないことも重要です。

力みが強い人、頑張り過ぎる人は、この動きをすると手首に力みが入る傾向があるからです。
 

私はヴォイストレーナーをしていますが、ご本人はそんなつもりはないのに「力が入っちゃう!」という状態を沢山見てきました。

その人の歌い癖で、左手首または右手首とどちらかに力が入って、凄く強いときだと手にボールを握っているのかな?という程の力み具合なのです^^;

手首の力みがあると、腕が回しにくい、スムーズに回せない、といった感覚がくるので自分で気がつくことができると思いますよ。
 

このような人は、実は立って歌うときも手首に力が入っている、又は入りやすい人なのです。

そしてなんと、手首の力みは声の力みに直結するんですね。

なので、心配な人はこのトレーニングで手首の力みも含めて解消してしまいましょう。
 

やり方はシンプルです。

肩甲骨から腕を回して、一番下(床に近い)に手がきたときに、手首をブンッと一回振るのです。

それだけで力みが緩み、反動で腕も回しやすくなるので一石二鳥ですよ。

ここまでくると、「前屈+腕を回す+手首を振る」となりトリプルの効果が期待できるというわけです。

 

この状態で何度か発声をしたら、ゆっくり体を起こしましょう。

そして間髪入れずに、何も考えず、同じものを発声してみてくだい。



「前屈」だけのときよりも効果を実感できましたでしょうか?

ちなみに、間髪入れずにやるのにも、ちゃんと意味があるんですよ。

すぐにやった方が、立ったときも「前屈+腕を回す+手首を振る」での効果を実現しやすい(よい状態を実感しやすい)からなのです。

だからあまり余計なタイミングは計らずにパッとやるのがいいですね。
 

そして自分の力みがまだ心配な人は、体を起こしたらすかさず「頬に手の平を当てる」で口周りの力み対策をしましょう。

 

これら3つのトレーニングを通して、いかがだったでしょうか?

皆さんが響きのある声をひとたび体感したならばそれは、体の辛さがない、体が楽なのに声が通る、といった感じを得たと思います。
 

そうなのです。

大きい声を出していたときの、喉への負担、体の圧迫感というのは本来は必要なかったのです。

響きのある声は、その圧迫感なしにもっと楽に声が飛んでいくのですよ。

まとめ

最後に、要点をまとめておきます。
 

・声量を上げるとは、響きのある声のこと。

・喉を開け、息の流れを安定させ、規則的に声帯が振動するとき、響きのある声になる。

・「頬に手の平を当てる」それだけで喉が開く。

・「前屈」は使える息が増え、力みがリセットできて効果抜群!
 

ぜひ、楽器てあるご自身の体を存分に使っていってください^^

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