相対音感でハモリが上手くなる?その疑問を解決!

歌声の出し方

「ハモリができるためには相対音感を身につけるといいですか?」

「相対音感を鍛えれば、歌うときに音程正確率が上がるのでしょうか?」

「楽器では3度の幅が分かるけど、歌うとなると音程がさっぱり分からなので相対音感はないですか?」

私は現在ヴォイストレーナーをしていますが、折に触れてこのような質問を耳にします。

あなたも同じような思いでいるのでしょうか?

もしそうなら、やや相対音感という言葉に振り回されるかもしれません。

その理由を知って、ハモリへの扉を開いていきませんか?

目次

相対音感でハモリが上手くなる?

いきなり結論から申しますと・・・

相対音感を身につける=ハモリが上手くなる(音程がよくなる)

とは断言できないのです。

なぜなら、「音感」と「音程を取る」は別のことだからです。 

相対音感に期待を寄せていた人には・・ごめんなさい。
 

そもそも、身につけるか?身につけないか?の前に、「音感」とは後から付ける能力なのですかね?

今現在のあなたには、相対音感が全くないのでしょうか?
 

例えばですが、音楽を聴いたらメロディーが素敵だなと感じる、音が高くなったな、低くなったなと感じますよね。

もしピアノの音をポーンポーンと2つ弾いたら、どっちの音が高いか?低いか?は判別することができるはず・・ですよね。

たとえ、その音をドレミで言えなくても、音の高さを識別する能力はある。

平たく言えば、それを相対音感と呼んでいるのです。

そうだとしたら・・・

あなたはもともと相対音感を持っている、ということになります。
(そのレベルは人さまざまですが。)

ですので、無いものを獲得しようという捉え方はちょっと違いますよね^^;

今からはぜひ気持ちを楽に持ってください。
 

ところで、「相対音感」はいつでも「絶対音感」と対比して使われる言葉ですよね。

絶対音感は、「ド」の音が鳴ったら、絶対にいつでも頭の中で「ドー」と聴こえる、「ドー」と言えてしまうというもの。

どちらの音感にせよ、音楽を専門にする人は、音の幅を聴き分ける訓練をしている(場合が多い)ので、当然ですが一般の人よりもずっとその水準が高いと言えます。

例えば音大では、必修科目でそういった訓練のような授業があるのです。

ピアノなど楽器の音を聴きながら、それを五線譜に書き留める試験もあります。

単旋律もあれば、一度に4つの音が重なった和音を聴き分けたりするんですね。

それらは、学生が絶対音感か相対音感かに関わらず、全員が必修科目で能力に応じて授業を受けています。

別に、あの人は絶対音感だ、この人は相対音感だなんてわざわざ気にすることもなく、淡々とやっていることです。

それでは、そのような訓練をした人たち、声楽やピアノやヴァリオリンやチェロの人たちみんなが音程よく歌えるものなのでしょうか?

いえいえ。
皆が皆、音程が言い訳ではありません。

絶対音感だろうと相対音感だろうと、音程を正確に歌うのは別のことなのです。
(ハモリもしかりです。)

これが、始めにお伝えした「音感」と「音程を取る」は別のことだということの理由というか事実です。

では一体、音の幅を把握してハモリが上手くなるにはどうしたらいいのでしょう?

相対音感を鍛えるのは効果的?

先ほど例えとして、音大生たちが訓練をしたからと言って、音程よく歌えるものではないとお伝えしました。

それはなぜだと思いますか?

その訓練は、音を聴き分けるための「耳を鍛える」ことに特化しているからです。

もちろんこの能力が向上すれば、歌うときに大いに役立つことは間違いありません。

ただし、始めにお伝えしたように、それがハモリや音程の良さに直結するするのではないということです。

例えば、素振りだけ頑張って体がその型を覚えても、実際にバットでボールを打たない限り、本当の体感は分からないですよね?

歌だってそれと同じこと。

ちゃんと声を出して、実際に歌う中でしか音程を取る(歌う)感覚は分からないのです。

声を出さずして、音程をよくすることはありえません。

そういうことで、相対音感だけを鍛えても、ハモリや音程の良さには効果が見込めない(少ない)というのが答えなのです。
 

ハモリが上手くなる・音程がよくなるために有効なのはただひとつ。

ズバリ、実際に声を出して練習をすることです。
 

だったら、「耳を鍛える」ことはやらなくていいのか?と思われそうですが・・・

そういうことではありません。

実際に声を出して練習するとき、あなたは常に音を聴いていますよね?
(少なくとも自分の音声を聴いています。)

歌いながら、音を聴きながら、という中で音程を取る練習をする。

それは結果として、音を聴き分けるための「耳を鍛える」ことも同時に行っているのです。

とにかく、あまり「◯◯音感」という言葉に縛られる必要はありません。

また逆に、ハモリが出来ない、音程がよくないことを音感のせいにするのも違う、ということですね。

あなたに必要なのは、練習をすること。
 

そんなこと分かってるよ!

という声が聞こえてきそうですが・・・

もし、今までの練習でハモリが出来なかったのなら、その練習方法を変えてみませんか?

上手くできない段階なのに、始めから歌(主旋律)を聴いてハモリをつけようとトライするのは、かなり無茶かもしれませんよ。

例えるなら、走り方(音程)が分からないのに、ハードル競技(ハモリ)をしようとしているようなものです^^;

でも自分の友だちはカラオケですぐハモリをつけてるぜ〜

と思った人は、歌うことで他人と比較する必要はありません。

人は人、自分は自分です。

誰にでも得意分野がありますし、育った環境も影響したりするものですから。

それでは、ハモリの扉を開くにはどんなアプローチをするといいでしょうか?
 

音の幅を取る練習方法

ハモリが上手くなる、つまり「音程を取る」にはどうしたらいいか?

それは、実際に声を出して歌う練習が必要だとお伝えしました。

そして、その練習は「歌いながら、聴きながら」というのがポイントでしたね。

ハモリができない人は、他の音につられるからと耳を塞いで必死に自分のパートを歌おうとする人が時々います。

それで何とか歌えたとしても、残念ながら本来のハモリではありません。

ハーモニーを奏でるとは、周りの音を聴きながらバランスを取って全体の音楽をつくることなのです。

自分が声を出している最中に、「他の音を聴く耳」を育てる。

そのような気持ちで練習していきましょう。

単音を聴きながら歌う

ピアノやキーボード、アプリのピアノ鍵盤でもいいので、自分で音を弾けるものを準備してください。

ハ長調(ドから始まる調)の主和音である「ドミソ」を使って練習していきます。

まず始めに「ドーミーソー」と弾いてみて、それぞれの音を確認しておきましょう。
 

「ドミソ」の音程

 



準備はいいですか?

(1)
それでは「ド」を弾き、その音を聴きながら「ミ」を歌ってみてください。

発音はアーでもウーでも、またはハミングでも、発音しやすいものでOKですよ。

さあ、どうぞ!
 

「ド」を弾き「ミ」を歌う

 

ミの音を取れましたか?

「ミー」と歌うときは、声(またはハミング)を長めに伸ばしてくださいね。

そしてピアノで弾いた「ド」と歌声の「ミ」を同時に聴く、ということに意識を向けるのです。

2つの音が重なり合っているのを確認するつもりで、よく耳を傾けたいです。
 

もしも「ド」を聴きながらだと歌えなくなる場合は、以下のことを試してみてください。

(その1)
「ドーミー」という感じで、「ド」を弾いたらさらに続けて「ミ」も弾き、音程を取るための手助けをしてあげましょう。

あくまでも他の音を聴きながら歌う練習なので、「ド」の音が消えないように、指はドミの鍵盤を弾いたまま、という状態ですよ。
 

「ドミ」を弾き「ミ」を歌う

 

(その2)
上記でもダメならば、「ミ」を歌いながら(声を伸ばしながら)、後から「ド」を弾いてください。
 

「ミ」を歌い、後から「ド」を弾く

 

「ド」を聴き始めると、だんだん「ミ」が分からなくなる人は、何回も繰り返して耳を慣らしていくしかありません。

でもこれは、曲を聴いていきなりハモリを付けるような無謀な方法では決してないですよね。

いたってシンプルで、同じことを何度も繰り返し行えるのです。

個人差はありますが、誰でも必ず慣れる時点がくるものなので、ぜひ根気よくトライしてください。
 

(2)
「ドミ」の音の幅に慣れてきたら、次は「ミソ」の幅に入りましょう。

ひとつのメロディーにハモリをつけるときは、大体は3度の幅(ドミ)で行われていますよね。

ですがせっかくなら「ドミソ」で練習した方が断然に感覚の幅が広がりますよ。

やり方は、「ドーミー」と順番に弾いたら、その2音を聴きながら「ソ」を歌います。
 

「ドミ」を弾き「ソ」を歌う

 
指はドミの2つの鍵盤を弾いたまま「ソ」を歌っている状態ですね。

ピアノで弾いた「ドミ」と歌声の「ソ」を同時に聴く、ということに意識を向けてください。
 

(3)
「ド-ミ」と「ドミ-ソ」の幅に慣れたら、さらに応用させた練習ができます。

・「ド」を弾いたら「ミーソー」を歌う。
・「ド」を弾いたら、ミを飛ばして「ソ」を歌う。
・「ソ」を弾いたら「ミードー」を歌う。
・「ソ」を弾いたら、ミを飛ばして「ド」を歌う。
・「ドソ」を順番に弾いたら「ミ」を歌う。
・「ミ」を弾いたら「ドーソー」を歌う。
・「ミソ」を順番に弾いたら「ド」を歌う。
 

ちなみにドミ(長3度)と、ミソ(短3度)は正確には少し幅が違います。

ですがそれは、音の幅がこうである、それをこう呼んでいる、というだけのこと。

上記の練習で「ドミソ」の幅に慣れたら(覚えたら)、結果的にどちらの音幅も歌えているので安心してください。
 

(4)
「ドミソ」の音の幅を掴んでしまえば、他のどんな調(キー)でも応用させることができます。

ピアノの鍵盤で、1オクターヴ(ドから上のドまで)の幅を見てみてください。

白鍵が7個(ド〜シ)と黒鍵が5個ありますよね。

それら12個のどの1音を弾いても、その音から「ドミソ」の幅で歌えるのです。

例えば「レ」から始まる調は、主和音が「レファ♯ラ」になります。
 

「レファ♯ラ」の音程

 
ですが、音の幅は「ドミソ」と同じなので、先ほどのように(1)〜(3)の練習をそのまま行うことができる、ということです。

「レ」を弾いたら、歌声(またはハミング)で3度の幅を取ればいいだけです^^
 

このとき、絶対音感の人なら頭の中では「レファ♯ラ」となります。

でもあなたは「レファ♯ラ」はもちろん、「ドミソ」が分からなくても(無理に言おうとしなくても)いいのですよ。

階名で言えることが絶対に必要ではありませんから。

ただ、自然と頭の中で「ドミソ」と言っているのであればそのままでOKです。
 

和音を聴きながら歌う

先ほどは、2つの音を弾くときに「ドーミー」とバラバラにしていました。

今度は和音で弾いて、いっぺんに音を聴いてしまいます。

(和音とは、2つ以上の音を同時に弾いた音のこと。)

(1)
まずピアノで「ドミ」を同時に弾き、その和音を聴きながら「ド」を歌ってみましょう。
 

「和音ドミ」を弾き「ド」を歌う

 
同時に2つの音を聴きながら、その中から「ド」の音を拾えましたか?

もし、2音を同時に聴くと「ド」が聴き分けられない場合には、いったん別々に「ドーミー」と弾いて音を確認してくださいね。
 

同じように今度は、「ドミ」を同時に弾きながら「ミ」を歌ってみます。
 

「和音ドミ」を弾き「ミ」を歌う

 
「ド」を歌うよりも、こちらの方がややハードルが上るかもしれません。

「ドミ」の和音によく聴き耳を立てて、「ド」を聴きながらも「ミ」の音を拾うという練習を、ぜひ繰り返し行ってください。
 

(2)
「ドミソ」を和音で弾きながら、それぞれの音を歌ってみましょう。

3つの音が鳴っている和音をよく聴きながら、歌い出しの音を拾っていく練習です。
 

「和音ドミソ」

 
・「和音ドミソ」を弾き「ド」を歌う。
・「和音ドミソ」を弾き「ソ」を歌う。
・「和音ドミソ」を弾き「ミ」を歌う。
・「和音ドミソ」を弾き「ドミソ」を歌う。
・「和音ドミソ」を弾き「ソミド」を歌う。
・「和音ドミソ」を弾き「ミソド」を歌う。
 

だんだんと耳が慣れてくると、和音を聴きながらも自在に「ドミソ」の音を行き来できるようになりますよ。

(ドソミド、ミドソド、ソドミド、など色々できます。)

ぜひゲーム感覚で、聴こえ方の変化を(上達を)楽しみながらやってみてください。
 

(3)
ハ長調(Cメジャー)の主和音である「ドミソ」での練習に慣れてきた人は、短調(マイナー)にも取り組んでみましょう。

ハ短調(Cマイナー)の主和音は「ドミ♭ソ」になります。
(ミ♭は、ミのすぐ左上にある黒鍵です。)
 

「ドミ♭ソ」の音程

 
真ん中の音に♭が付く(半音下がる)だけで、和音の雰囲気がガラッと変わりますよね。

「ドミ♭ソ」の和音でも、(1)〜(2)と同じように、他の音を聴きながら歌う(音程を取る)という練習を行ってください。
 

ちなみに和音の練習も、「単音を聴きながら歌う(4)」の練習と同様に、他のどの調(キー)でも応用させることができます。

万が一、短調の方もやると混乱してしまうという人は、無理せずに長調の「ドミソ」をまずは集中して行いましょうね^^
 

1オクターヴの幅で歌う

ハモリというのは、当然ですが3度の幅だけで構成されるわけではありません。

もし2人ではなく、3〜4人で歌えば重なる音の数も増えていきますよね。

ですので、さらに踏み込んで練習したいという人は、ぜひ1オクターヴの幅でも行ってみましょう。

(1)
ここでも「ドミソ」をベースとして練習していくと感覚を掴むのが早まります。

まず、1オクターヴの幅で「ドミソド」を弾いて、音を確認しておきましょう。
 

「和音ドミソド」の音程

 
1オクターヴだと「ドミソド」となり、「ド」が2回出てきますよね。

なので混乱しないように、ここでは高いドを「ド高」と表記します。
 

・「和音ドミソド」を弾き「ドード高ー」を歌う。
・「和音ドミソド」を弾き「ド高ードー」を歌う。
・「和音ドミソド」を弾き「ドーミーソード高ー」を歌う。
・「和音ドミソド」を弾き「ド高ーソーミードー」を歌う。
 

(2)
最後は、他の音を聴きながらも、和音にはない音を歌うという練習になります。

ですが使う音は全部「ドミソド」で構成されているので、1オクターヴの中で音を行き来することに変わりはありません。

一番始めの練習から見れば、もうかなりの応用編ではありますが、よければチャレンジしてみてください。
 

「和音ドミソ」

・「和音ドミソ」を弾き「ソード高ー」を歌う。
・「和音ドミソ」を弾き「ドーソ低ー」を歌う。

 

「和音ドミ」

・「和音ドミ」を弾き「ソード高ー」を歌う。
・「和音ドミ」を弾き「ドーソ低ーミ低ー」を歌う。

 

「和音ドソ」

・「和音ドソ」を弾き「ド高ーソーミー」を歌う。
・「和音ドソ」を弾き「ミーソード高ー」を歌う。

 

「和音ドド高」

・「和音ドド高」を弾き「ド高ーソーミー」を歌う。
・「和音ドド高」を弾き「ソーミード高ー」を歌う。 etc.
 

他にも組み合わせがあるでしょうかど、こんな感じで練習してみてください。
 

例えばですが「和音ドド高」を弾き「ソーミード高ー」を歌う、の場合なら・・・

「和音ドド高」を弾いたら、頭の中で「ドミソ」の音を鳴らす(歌う、イメージする)のです。

頭の中で階名のドミソでも、アーアーアーでもンーンーンー(ハミング)でも何でもOKですので。

そうすれば、歌い出しの「ソ」を拾う(見つける)ことができますよね。

このように音の幅を掴んでいくと、歌う音が鳴っていなくても、他の音(他の歌声)を頼りに自分の音を拾って歌うことが実現すということです。
 

最後に補足です。

友だちや仲間と歌うと、ちゃんと歌っているはずなのにハモリがしっくりいかない、というときがあるでしょう。

それは、主旋律を歌う人の音程が不安定(低い・高い)ということもあります。

または音程は合っていても、声質が違うことで奇麗なハモリに聴こえない、という場合ももちろんありますよね。

そしてまた、主旋律の声が大きめでハモリの人は小さい声で歌えばいい、というわけでもありません。

音の幅が掴めるようになっても、それで終りではなく、むしろスタートです。

ハーモニーを奏でるには、あなた一人ではなく、一緒に音楽をする人とのバランスや意思疎通を計ることなども関係してくるのです。

そういったことも含めて、奥深い音楽を楽しんでいってください。

まとめ

最後にポイントをまとめておきます。

・「音感」と「音程を取る」は別のこと。

・ハモリが上手くなる・音程がよくなるためには、実際に声を出して練習をすること。

・練習は「他の音を聴きながら、自分の音を歌う」ことがポイント。

・ピアノの音と自分の歌声を同時に聴く、ということに意識を向けること。
 

ハモリが上達しますように^^

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