滑舌を良くする方法とは?あなたも自宅ですぐできます!

話し声の出し方

職場で上司との会話、取引先やお客様への電話応対、朝の朝礼での発声練習・・・

滑舌が悪いと自覚している人にとっては、どれもが気の休まることのないシチュエーションでしょう。

「電話が鳴る度にドキッとする」

「朝礼の発声練習になると胃が痛む」
 

そんな日常のストレスをあなたも感じているのでしょうか?

もしそうだとしたら、これからお伝えする「活舌を良くする方法」をぜひ試してみてください。

活舌を改善してストレスフリーになりましょう!

目次

滑舌を良くする方法とは?

滑舌が悪い原因は、人によってそれぞれ違います。

舌の動きが鈍い、歯並びが悪い、噛み合わせがおかしい、などが挙げられるでしょう。

でも、歯並びがきれいでも滑舌が悪い人がいることを思うと、やはり「舌の動き」に注目するのが近道と言えそうです。
 

舌の動きが鈍いのは、舌が短い・長いとか、厚みがあることで舌が動きにくくなってしまうからなのです。

舌小帯という、舌の裏についたヒダが短いという場合もあります。
(この話は専門科の領域なのでそちらにお任せします。)

もしくは、舌のサイズが普通にも関わらず動きが鈍い人も中にはいるかもしれません。
 

でも大丈夫です。
 

どのような場合であっても、皆さんができる3つの方法をご紹介します。

・前歯を噛み合わせる
・鼻をつまむ
・前歯を噛み合わせる+鼻をつまむ
 

文字だけ見ても、何のことだか分からないですよね^^;

それでは、これからひとつずつ見ていきましょう。

前歯を噛み合わせる

やり方としては、実にシンプルです。

「上前歯と下前歯を噛み合わせる」これだけ。

この状態で話したり読んだりして、発音の練習をするというわけです!
 

あえて動きを制限することで、舌の動きを活発にさせる・鍛える、という方法になります。

ただし、「舌を動かそう!」と思う必要はありません。

あなたが意識するのは「しっかり発音する」ということです。

 

それでは早速ですが、前歯を噛み合わせた状態で何かしゃべってみてください。

(おはようございます)

(◯◯会社の◯◯です)

(お世話になっております)



いきなりだと、不慣れなので発音しにくいかもしれません。

でも最初はそれが普通なので、発音しにくいことは気になさらずに!
 

試してみると、たとえ発音が明瞭ではなかったとしても、全くしゃべれないことはないですよね?

一文字も発音できなかった、という人はいないはずです。

しゃべりにくい中でも、自ずと舌を動かすことで発音が成り立っているです。
 

練習で使う言葉は後ほど述べるとして・・・
 

「しっかり発音する」と意識しながらこの方法で発音していくと、しばらくしてある変化がやってきます。

最初はやりにくくても、だんだんと発音がしやすくなる、安定してくる、馴染んでくる、といった時点がやってくるのです。

 

それが「整ってきた!」というサインです。

 

その後で、口を開けて(前歯を開けて)同じ言葉を発音してみると、いつもとは違った感覚がくると思います。

声が出やすい、スムーズに読める、発音がハッキリした感じ、声が大きくなった感じ、・・・etc.
 

このように、「前歯を噛み合わせる」を行う前と後で、自分の話し方にビフォーアフターを実感することができるのです。

やり慣れてくると「前歯を噛み合わせる」で話しているにも関わらず、まるで口を開けて話しているかのように聞こえる、というくらいに整いますよ。
 

万が一、奥歯が当たって前歯が噛み合わない(歯と歯の間に隙間がある)人は、上下の前歯がちゃんと当たるように、無理のない範囲で調整してみてくださいね。
 

鼻をつまむ

先ほどと同様に、これもいたってシンプルです。

鼻の穴を塞ぐために、片方の手で鼻をつまむ、ただそれだけ!

そして、こちらも鼻をつまんだ状態で発音の練習をしていきます。
 

何てことないように見えて、実は声にとって大きな効果を得られる方法なんですよ。
 

まず基本として人が話すとき、声は息の流れに乗って口から出ていきます。

そして呼吸をするときの息の通り道は2つ、鼻と口ですよね。

話すときも、当然ながら息の通り道は2つあるわけです。

だから知らず知らずのうちに、両方の通り道に息が流れてしまうことがあるんですね。

つまり、話すときに鼻の方にも息が流れてしまっているということです。
 

これは、自分ではなかなか自覚しにくいかもしれません。

でも自覚がないからといって、あまり心配しないでくださいね。

なぜなら、鼻をつまんだ状態で発音すれば自分で気づくことができるからです!

 

ちょっと試しに、鼻をつまんでマ行とナ行を発音してみてください。

「マミムメモ」

「ナニヌネノ」
 

声が鼻にかかって、詰まったような声になりますよね?

鼻の方に圧がかかる感じがあると思います。

これは発音の特性上、誰がやってもそうなります。
 

次にこちらの発音はどうでしょう。

「アイウエオ」

「サシスセソ」
 

子音M・Nが全く入っていないのに、もし声が鼻にかかっていたら(鼻に息の圧があったら)、鼻の方にも息が流れていたという証拠です。

これはガッカリすることではありませんよ!

むしろ、改善できる部分が見つかって喜ぶところです^^
 

私はヴォイストレーナーをしていますが、活舌の悪い人は、声が鼻にかかりやすい傾向があります。

彼らははっきり話そうと頑張りを増やしても、頑張った分だけ鼻と口に息が分散されてしまうのです。

せっかくの頑張りが声に反映されてこないんですね。
 

まず舌の動きうんぬんの前に、鼻をつまんで発音してもらうだけで発音に変化が出るという人は割といらっしゃいます。

「しっかり声を出せる感じになる」

「安心して発音できる気がする」

といった感覚を得るようです。

これは、「鼻をつまむ」で息の通り道をひとつ塞いだことで、全部の息が口の方に進むようになったからです。
 

とにかく細かいことを考えずに、鼻をつまんでただただ発音していくこと。

これでちゃんと整っていきます。

整うとは、「息が口の方だけに流れる状態」が安定するということです。

 

しばらく発音を繰り返した後で、ようやく鼻をつまんでいた手を離して同じ言葉を発音してみてください。

きっと 「鼻をつまむ」もビフォーアフターを実感できるはずです。
 

人によっては、「鼻をつまむ」をやってみて、始めから声が鼻にかかる感じがない場合もあるでしょう。

でも「息の流れを整える」という意味では滑舌のためにも効果的なので、物は試しと思ってぜひ行ってみてくださいね。
 

前歯を噛み合わせる+鼻をつまむ

先ほどの2つを合体させて、ダブルの効果を得る方法です。

つまり、「前歯を噛み合わせたまま、鼻をつまむ」と言う状態ですね。
 

口の動きを制限され、さらに鼻もつまんでいるので、このときの口呼吸はちょっとやりにくさを感じるかもしれません。

ですが、その分しっかり息を吸う方向になるので、気にせずに発音していきしょう。

 

ここで「前歯を噛み合わせる」のさらなる効果をお伝えします。

実は、舌の動きを鍛えるだけに留まりません!

・発音の位置を整える
・吐く息の流れを促す

という役割も担っているのです。

 

ところで「前歯を噛み合わせる」をするとき、口の中のどのあたりで発音しているでしょうか?
 

口の中の、前の方で発音しているのです。
 

もし実感がない人は、試しに口の中の後ろの方でしゃべろうとしてみてください。



全く言葉にならないですよね^^;
 

人は口が開けられないと、発音できるところで(前の方で)発音するしかなくなるのです。

これも、あえて口の動きを制限することで得られる効果だと言えます。
 

このように発音の位置を整える(前に揃える)ことで、口を開けたときに声が前に出やすい、声がポンッと出る感じ、といった感覚を得られるんですね。
 

ちなみに、もし「前歯を噛み合わせる」がいつもよりやりにくい、発音が整わないと感じたときは、何かの力みのせいで、発音が前の方に出てきにくいのだと思われます。

そんなときは、前の方で発音する、声を前歯に当てる感じで発音する、という意識で行うと早く整えることができますよ。

 

・吐く息の流れを促す

人は、口を開けられないという不自由な中で話すと、無意識的に、普通に話すときよりも息をしっかりめに吐くようになるのです。

「鼻をつまむ」も息の流れを整える作業なので、ダブルの効果があるというわけです!
 

先ほど述べたように、声は息の流れに乗って出ていきます。

だから舌の動きが良くなっても、息が弱いままだと声は前に出ていけないのです。

電話口の相手にしっかり声を聞き取ってもらうためにも、吐く息の流れを促すことは外せません。

それをダブルの効果で鍛えられるなら、やらない手はありませんよね。

 

これまでに述べた3つの方法を効率よく行うためのポイントがあります。

・強く噛み締めないこと
・唇を横に引っ張らないこと
 

強く噛み締めるのは、いらない力みが入る原因になります。

力む必要はないので、もし発音の途中で口が開いたら(前歯が開いたら)また閉じればいいだけのことです。
 

また、息が吸いにくかったり、頑張って発音しようとして、つい無意識に唇を横に引っ張ってしまうことがあります。

口周りの強い力みは、滑らかな発音にとってプラスにはなりません。

これは無意識に出る動きなので、ぜひ鏡を見ながら行いましょう。

鏡を見て、唇の力みを自覚した途端に、その力みは緩められるものですよ。

 

それでは次に、活舌を良くするのに効果的な言葉をお伝えしていきましょう。
 

滑舌を良くする言葉のオススメは?

サ行、タ行、ナ行、ラ行。

活舌が悪い人は、このどれかしらは言いにくい発音として実感があるのではないでしょうか?

ここでは、これらの言いにくい発音を扱っていくことになります。

 

ところで、電話応対のときに毎回必ず発音するものとは何でしょう?
 

・・・それは、自分の名前ですね。
 

佐々木さん、田ノ上さん、峰村さん、村山さん・・・

私の知るこちらの皆さんは、普段は滑舌を気にしない人たちです。

それにも関わらず、電話や対面で名前を聞き返されたことがあるそうです。
 

そうなのです。
 

サ行、タ行、ナ行、ラ行は、もともと並びによって言いにくい発音、乱れが出やすい発音だということなのです。

だから、単体(サシスセソ)だけを練習するよりも、他の発音と組み合わせて練習する方が実践に近づけることができ、格段に効率が良いと言えます。
 

それでは、一体どのような組み合わせになるでしょうか?
 

サ行とタ行が気になる人

サ行は息を吐く子音、タ行は舌が上前歯の後ろに当たる子音です。

この2つは違うタイプの発音ですが、どちらも「マ行」と組み合わせるのが効果的なのです。

マ行には、「有声子音・唇を動かす」という特徴があります。

この特徴のお陰で、サ行やタ行の発音に勢いが出てくる(子音が前に出てくる)ようになるんですね。

(有声子音とは、子音だけでも音になれる発音のことです。)

 

具体的には、サ行とマ行を一文字ずつ交互に発音していく形にします。

サマサミサムサメサモ
シマシミシムシメシモ
スマスミスムスメスモ
セマセミセムセメセモ
ソマソミソムソメソモ
 

これを「前歯を噛み合わせる」で発音の練習をしていくのです。

(「鼻をつまむ」や「前歯を噛み合わせる+鼻をつまむ」でもぜひ。)

 

タ行も同じように組み合わせます。

タマタミタムタメタモ
チマチミチムチメチモ
ツマツミツムツメツモ
テマテミテムテメテモ
トマトミトムトメトモ
 

このようになりますね。
 

練習するときのポイントは、「滑らかに!」発音することです。

「タ・マ・タ・ミ ・・・ 」と途切れないように、声を「滑らかに!」つなげて発音してください。
 

早口言葉ではないので、発音しやすい速度で大丈夫です。
 

なお、「鼻をつまむ」や「前歯を噛み合わせる+鼻をつまむ」を行う際は、マ行では必ず声が鼻にかかります。

それは気にせずに、突き進むつもりで発音してください。

そのことでより一層、息の流れが促されますので!
 

ナ行、ラ行が気になる人

こちらの発音には、「ザ行」を組み合わせます。

ザ行の「有声子音である・吐く息に勢いがある」という特徴が、ナ行とラ行の舌の動きを促してくれるのです。
 

ナ行、ラ行に「ザ行」を組み合わせると、以下のような形になります。

ザナザニザヌザネザノ
ジナジニジヌジネジノ
ズナズニズヌズネズノ
ゼナゼニゼヌゼネゼノ
ゾナゾニゾヌゾネゾノ
 

ザラザリザルザレザロ
ジラジリジルジレジロ
ズラズリズルズレズロ
ゼラゼリゼルゼレゼロ
ゾラゾリゾルゾレゾロ
 

ポイントは、もちろん「滑らかに!」発音することです。

さらに、ザ行をしっかりめに発音するようにしましょう。

zzZA-RA-zzZA-RI-zzZA-RU・・・

くらいのつもりで!
 

「前歯を噛み合わせる」で、これくらい子音Zを発音すると、舌の動きも促され、声も前に出やすくなります。

何回か発音した後で、口を開けて改めて発音してみると、スムーズ感や発音のしやすさを感じると思いますよ。

 

実はもうひとつ、ご紹介したい組み合わせがあります。

それは、ナ行とラ行の組み合わせです。

ナラナリナルナレナロ
二ラ二リ二ル二レ二ロ
ヌラヌリヌルヌレヌロ
ネラネリネルネレネロ
ノラノリノルノレノロ
 

なんと、発音しにくいもの同士を組み合わせてしまうのです。

なぜかというと、私がヴォイストレーナーとして見てきた中で「ナ行・ラ行」の組み合わせにつまずく人が多くいたからです。

特に、舌が長くて分厚い人はとてもやりにくそうでした。
 

ナ行もラ行も、どちらも舌を動かす発音ですよね。

だから、この組み合わせを1セット発音するだけで、舌の動きを50回行うことになるのです。

まさにトレーニングです!
 

「はっきり発音する」ことを意識して、あなたの読みやすい速度で発音してくださいね。
 

ザ行は効果抜群!

先ほど、ナ行とラ行に「ザ行」を組み合わせましたね。

でも実のところ、ザ行はどの発音に対しても整える効果がある、いわば救世主のような存在なのです。

試しに、「前歯を噛み合わせる」でこの発音を比べてみてください。

ここでも「滑らかに!」発音しますよ。

「サシスセソ」

「ザジズゼゾ」

 

確実に、ザジズゼゾの方が沢山の息を吐いていると思いませんか?
 

ザ行の特徴は「有声子音である・吐く息に勢いがある」でしたね。

有声子音なので(子音Zから音になるので)、声が前に出ていきやすいのです。
 

ザラザリザルザレザロ・・の感じで、別の発音とザ行を組み合わせてみても、活舌の練習として効果を発揮します。

 

さらには、応用編として、ザ行と様々な発音を織り交ぜた言葉で練習するのもオススメです。

応用編と言っても、構えずに気楽に取り組んでくださいね^^
 

楽しい気分でできるような例文を作ってみました。

・ザ行とナ行
ナゾナゾが解けない 名指しで野地さんを指名 虹を窓からジーっと眺める 地主が寝ずに謎解き 頭脳明晰な次男 ネジをねじる 寝相のいい姉さん ノズルの穴をのぞく 若者に望みを託す   etc.

・ザ行とラ行
ザラザラの布 ザルにザラメをザラッと入れる 路地でラジコン遊び じりじりとにじり寄る リゾートでするパズル ズラリと並んだロゼワイン ゼロカロリーのゼリー ゾウの家族がゾロゾロ歩く  etc.

 

「前歯を噛み合わせる」で読んだときに、きっと発音しにくい言葉が出てくると思います。

それを焦らず丁寧に、はっきり発音できるまで練習してから、口を開けて整った発音を確認してみてくださいね。

 

ちなみに、一番丁寧な練習方法はこんな感じになります。

1.普通に読む(ビフォー)

2.前歯を噛み合わせる

3.前歯を噛み合わせる+鼻をつまむ

4.前歯を噛み合わせる

5.口を開ける(アフター)
 

この順番で行うと、4.のときにすでに声の滑らかさを感じると思いますよ^^

(理由は、2.ビフォー 3.+鼻をつまむ 4.アフター になるからです。)

まとめ

最後に、これまでのことをまとめておきますね。
 

●「前歯を噛み合わせる」の効果は3つ。
・舌の動きを鍛える
・発音の位置を整える
・吐く息の流れを促す

●「鼻をつままむ」で息の通り道を整える。

●活舌は舌の動きだけでなく、息の流れを促すことも大切。

●発音練習のポイントは2つ。
・「はっきり発音する」という意識で行う
・「滑らかに!」発音する
 

これらの方法が皆さんのお役に立ちましたら幸いです。

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